新○○駅問題
もしかして、あなたの住んでいる地域にも「新○○駅」という駅があるのではないでしょうか。
いや、「新宿駅」とか「新橋駅」とかではなくて。
新幹線が止まる駅です。
たいていの場合、その駅は街の中心ではなく少し離れたところにあります。
そして「○○駅と新○○駅は全然違うよ。そっちの方は何もないから気をつけて。」なんて言われています。
「新」と名乗っておきながら、気をつけてと言われるほど何もないとは。
そういえば「ニュー」がつくホテルも、新しいどころか古いホテルが多いですね。
太りアクリル棒に部屋番号が書かれたルームキーを渡されそうな古さです。
「つまり『新○○駅のホテル ニュー△△』は、何もない駅の古いホテルってことか。」
まあ、そこまでは言いませんが。あながち…、まあ、そこまでは言いませんが。
そしてこれは、大阪もご多分に漏れません。
大阪も「大阪(梅田)駅」と「新大阪駅」は全く別物です。
新大阪駅の周りには、ホテルこそあれど、特に何があるというわけでもありません。
大阪の中心の駅は、「新」がつかない方の大阪駅(梅田駅)です。
中心の方の駅ですから、大阪駅の周りには百貨店が複数あります。
今回は、そんな大阪の百貨店で開催されたシードルのイベントへ行ってきました。
阪急百貨店の人はとても親切
大阪には前回紹介したschwa2の他に「アルモリカ」というビストロ シードルバーもあります。
しかしその日は、入り口の近くに「本日休業」の看板が出ていました。
残念。
しかししかし、よく見ると休業の理由が書かれています。
「阪神百貨店のイベント出展のため」
残念撤回!!
イベントのタイミングに遭遇するとは、むしろラッキーでした。
すばらしい!
「アルモリカ」のある本町駅から、急いで阪神百貨店へと向かいました。
梅田駅に着くなり、Googleマップを開いたスマートフォンをくるくる回しながら、阪神百貨店を目指します。
なにも難しいことはありません。梅田駅からすぐに百貨店を見つけることができました。
店内の案内図を頼りに催事場を探します。…探します。
…ない。
どう見てもそんなイベントをやっている場所がありません。
店内案内図の近くに立っていたゴマ塩頭の男性警備員さんに尋ねました。
「シードルのイベントはどこでやってますか?」
すると警備員さんもわからなかったようで、受付の女性のところまで連れて行ってくれました。
なんて親切なんだ。
そして受付の女性に「シードルのイベントやっているところに行きたいです。」と伝えました。
受付の女性は少し考えて「それは阪神百貨店でやっているやつですね。」
…ん?
…それ、ここでしょ?
…!
なんと、そこは阪神百貨店ではなく阪急百貨店でした。
地図を見てきたのにそんな間違いをするとは。
それにしても、他の百貨店でやっているイベントのことまで頭に入っているとは、恐れ入りました。
受付の方に頭を下げて、いよいよ阪神百貨店に向かいます。
とはいえ、百貨店って広くて迷路みたいじゃないですか。
誤りには気づけましたが、まず阪急百貨店からの行き方がわかりません。
少し移動したところで、エスカレーターの近くに立っていた女性の店員さんにまた場所を聞きました。
「ええっと、それはですね…」一瞬口頭で説明しようとしてくれたのですが、すぐにやめて
「こちらです。」
なんと、出口のドアのところまで先導してくれて、外にも出て場所を教えてくれました。
驚くほど親切な人です。他のお店のことを聞いているというのに。
そんなこんなで、無事に本物の阪神百貨店に着くことができました。
阪急百貨店の方々、ありがとうございました。
新幹線のおとも
なんとか阪神百貨店のイベント会場に到着すると、いくつもシードルのブースが並んでいました。
売られているものを片っ端から買うわけにもいかないので、明確な目的を決めました。
「帰りの新幹線で飲むシードルを買う。」
いやはや、これはいい目的ですね。
この目的によって買うシードルがこのように絞られます。
- 購入時点で冷えている
- 飲みきれるサイズ
- 栓抜きがなくても開けられる
これは普段おいしいシードルを買うのに苦労するポイントです。
しかし、条件を絞ったにもかかわらず、帰りの新幹線までの短い時間で、簡単に見つけることができました。
さすがシードルのイベント!
さて、新幹線からの景色を楽しみながら、シードルを飲みたいと思います。
逆光!
まあ、のどかな景色を楽しんでください。
今回は珍しく缶のシードルです。
これはイギリスのメーカー「Courtney’s(コートニーズ)」が作っている『Whiple Orchards』です。
「Courtney’s(コートニーズ)」は自然農業にこだわった家族経営のサイダー農家です。
500本を超える果樹園の中には樹齢100年を超える古いものもあるらしいです。
そしてそれを家族が手摘みしているという。ありがたや、ありがたや。
柔らかな口当たりでありながら、甘さの中に独特の深みも感じられる、しっかりと味わいのあるサイダーです。
景色を眺めるもよし、物思いにふけるもよし、眠るもまたよし。
旅のおともにシードルはナイスな相棒です。
というわけで、今回の一杯でした。
サイダーもまた、イギリスからの旅人。
シードル太郎
大阪まで遠い方でも大丈夫。
「アルモリカ」のシードルはネットからでも購入可能です。