Le Père Jules(ル ペール ジュル) Cidre Brut(辛口)
今回は、最初にシードルを紹介するスタイルでお送りします。
こちらです。
「Le Père Jules(ル ペール ジュル)」の『Cidre Brut(辛口)』です。
「Le Père Jules(ル ペール ジュル)」はノルマンディーにあるシードルリーです。
なんと創業は1919年。
フランスで1919年と言えば「行く行くパリへ、ヴェルサイユ」でおなじみのヴェルサイユ条約ですね。
歴史があります。
「ル ペール ジュル」は名前そのまま、Jules Desfrièches(ジュル デフリエシュ)が始めました。
「Père (ペール)」はフランス語で「父親」の意味ですが、ここでは「おじさん」というニュアンスです。
ジュル デフリエシュが「ジュルおじさん」と呼ばれていたことに由来します。
ジュルおじさんは第一次世界大戦からノルマンディーに帰ってから、シードル作りを本格的に始めました。
もともと孤児として祖父母に育てられている頃に、シードル作りを学んだそうです。
4年後の1923年にはカルヴァドス作りを始め、シードルは地域の人気シードルとなりました。
それから子や孫も一緒にシードルを作るようになり、家族経営のドメーヌとしてシードルを提供しています。
そんなジュルおじさん一家の作るシードルは、20種類以上のリンゴがブレンドされています。
「ドメーヌ」ですから、そのリンゴも自家栽培しています。
ちなみに醸造所はここにあります。
○○の近くと言いにくい微妙な場所にあります。
ノルマンディーの首都Caen(カーン)まで50kmなので遠くはないですね。
全く近くはないですけど。
はっきり言えばつまり、大田舎というわけです。
しかしそれは欠点どころか素晴らしい魅力です。
素晴らしさがわかる公式の紹介ビデオがありましたのでご覧ください。
いま電車の中で読んでいる人は、イヤホンの接続があるか先に確認してください。
大丈夫ですか?
別に大音量が始まるわけではないので心配しなくて大丈夫ですよ。
それではどうぞ。
字幕なしのフランス語アナウンスは聞き流してしまったでしょうか。
それで大丈夫です。
なんとなくリンゴ栽培からの製造過程の雰囲気は感じられたと思います。
大田舎バンザイ!
ホタテとムール貝
ノルマンディーの名産品と言えば?…
…そうです。カマンベールチーズです。
ご存じありませんでしたか。
心配無用です。さっそくこちらでさらっと学んでください。
ノルマンディーと言えばカマンベールチーズで間違いないですが、他に美味しいものはあります。
例えば貝です。
ノルマンディーは海に面した地域で、ムール貝やホタテ貝、カキなどの養殖が盛んです。
ちなみに、ムール貝はフランス語で「Moules(ムール)」です。
簡単ですね。レストランに行ったら「ムール!」というだけで注文できます。
ついでに「シードル!」と言えばちゃんと「Cidre(シードル)」も頼めるでしょう。
「ホタテ貝も食べたいなあ。」ですか。ではこれもフランス語で注文しましょう。
「ホタテ..ホタトゥかな。いや、フランス語はHを発音しないからオタテかオタトゥかな..」
いろいろ考えて素晴らしいですね。
正解は「Coquilles saint-jacques(コキーユ サン・ジャック)」です。
わかるか!
コキーユは貝殻(二枚貝)のことをさし、サン・ジャックは聖ヤコブのことをさしています。
理由は不明ですが、聖ヤコブのシンボルがホタテなので、ホタテは「聖ヤコブの貝」と呼ばれているます。
さて、名前の呼びやすさはさておき、ムール貝もホタテもノルマンディーの名産です。
つまりシードルにあう可能性が非常に高いです。
可能性と言いましたが、現地ではかなりポピュラーな組み合わせです。
それではそれぞれ食べる準備をしましょう。
まずはホタテ貝です。
ノルマンディーはバターも美味しいので、今回はバターソテーにします。
さすがにバターで焼いて塩コショウで味付けするだけなので、レシピは割愛します。
続いてムール貝です。
このムール貝はかなりオススメです!
調理が驚くほど簡単。袋のままレンジで温めるだけです。
裏面に作り方が乗っていますが、袋にフォークで穴を開けて、レンジで8分半したらおしまいです。
もちろん、鍋やフライパンで調理した方が美味しいでしょうが、レンジが選択肢にあるのはありがたい。
そして、じつは中身も大きめで、殻だけ大きいがっかり食品ではありません。
さてさて、ホタテもムール貝も調理が終わったら、盛り付けてレモンを添えて完成です。
おいしそうですね。
え?急にチーズが添えてある。ですか。
なかなか目ざとい御仁ですね。
ノルマンディーといえばカマンベールチーズですが、今回はウォッシュタイプのチーズにしました。
実はノルマンディーにもウォッシュタイプの名産チーズがあり「リヴァロ」という名前です。
リヴァロは、カマンベール、ポン・レヴェックと並び、ノルマンディー三大チーズと呼ばれています。
誰が呼んでいるのかは存じ上げませんが。
リヴァロは匂いの強いウォッシュチーズの中では比較的食べやすいチーズです。
と、リヴァロの話をしておいてなんですが、今回食べたのはリヴァロではなく名もなきウォッシュチーズです。
さあてさて、説明は終わりです。
食べましょう。
まずはシードルをひとくち。
おおおお、バランスが完璧!!
やっぱりノルマンディーのシードルはさすがだと言わざるをえません。
Brut(辛口)ですが、甘味、苦味、酸味のバランスが素晴らしいです。
また、泡もシュワシュワ感が豊富で、飲み心地も気持ちいいです。
続けてホタテをひとくち。
これもおいしい!やはりバターとシードルは相性がいいです。
ムール貝も食べましょう。
うん、うん、おいしい!
貝の海の香りと林檎のさわやかな風味が良い感じです。
さらにチーズも続けて。
ぐぅ、たまらん!
柔らかい触感に、ウォッシュタイプですがかなりソフトで食べやすい。
シードルがものすごくおいしいだけに、全ての食材の美味しさを倍増させてくれます。
というわけで、今回の一杯でした。
美味貝貝
シードル太郎