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【四者四様】赤いシードル飲み比べ、色にも味にも違いあり

フランス

シードルの色はいろいろ

ワインには赤ワイン、白ワインがありますが、シードルにはそのような大きな違いはありません。

「タイトルで”赤いシードル”って言ってるのに?」とお思いでしょうが、まあ聞いてください。

まず、赤ワインと白ワインの違いについて説明します。

  • 赤ワインは、黒ブドウの皮も種も全部潰して搾汁し、それを発酵させたもの
  • 白ワインは、白ブドウの実だけを取り出して搾汁し、それを発酵させたもの

白ワインは白ブドウだから白いわけではなく、果肉の部分しか使わないから白いわけです。

ちなみに「黒ブドウ」とは、皮が赤黒くて果肉が白い、いわゆる普通のブドウのことです。

「じゃあ、白ブドウで赤ワインと同じ作り方をしたらどうなるの?」

いい質問ですね。

それは最近流行の「オレンジワイン」になります。

「オレンジワイン」という名前ですが、オレンジは入っていません。

皮や種の色によって、オレンジ色になるためオレンジワインと呼ばれています。

「じゃあ、黒ブドウで白ワインと同じ作り方をしたらどうなるの?」

すべてのパターンが気になるんですね。素晴らしい好奇心です。

黒ブドウの果肉だけを取り出してワインを作ると、「ロゼワイン」になります。

「ロゼ(rosé)」とはフランス語で「ピンク色の」という意味です。

ロゼワインの作り方は他にも白ワインに赤ワインを混ぜたりする方法もあります。

まとめましょう。

  • 黒ブドウを全部使う   → 赤ワイン
  • 黒ブドウの果肉だけ使う → ロゼワイン
  • 白ブドウを全部使う   → オレンジワイン
  • 白ブドウの果肉だけ使う → 白ワイン

なるほど、ワインには4種類あることがわかりました。

話は戻ってシードルです。

シードルの作り方は

  • リンゴの皮も種も全部潰して搾汁し、それを発酵させたもの

この一択しかありません。

そのあとの工程でフレーバーを加えたりガスを充填するものもありますが、基本の作り方は一択です。

つまり、シードルには1色しかありません。

が、シードルは全て同じ色かと言えばそうではありません。

「どっちやねん!」

まあ落ち着いて、こちらをご覧ください。

これらは全てシードルです。

どうですか。「黄金色」と言えば黄金色かもしれませんが、そうとも言えないものもあります。

シードルは1色といえど、これほど色の違いがあるわけです。

飲む前に色を見るのも、シードルの楽しみ方のひとつです。

さて、シードルの作り方は同じなのに、なぜこんなに色が違うかと言えばリンゴが違うからです。

シードルの魅力はいろいろなリンゴを混ぜることにあります。

特に海外のシードルでは、60種類のリンゴを混ぜてつくるところもあります。

そうして多種多様なリンゴをそれぞれの醸造所のバランスで混ぜるため、いろんな色ができるわけです。

そしてリンゴの中には、皮だけでなく実まで赤いリンゴがあります。

実まで赤いリンゴを使ってシードルをつくったらどうなるか。

はい、そうです。お察しの通り、赤いシードルができます。

赤いシードル4種比較

赤い実のリンゴを使って作るシードルはいくつかあります。

今回はそんな赤いシードルの中から、4種類のシードルをご紹介します。

ラ・ブーシュ・オン・クール シードル・ロゼ

まずはおなじみカルディのシードル「ラ・ブーシュ・オン・クール シードル・ロゼ」です。

アルコール度数は3%と低めです。

ラ・ブーシュ・オン・クールのシードルはこのブログでも度々紹介していますが、ロゼは初めてです。

どこのカルディでも、Doux(甘口)とBrut(辛口)は扱っていますが、ロゼは取り扱いのない店舗もあります。

ラ・ブーシュ・オン・クールを作っているのは「Val de Rance」というブルターニュのシードル協同組合です。

つまりこちらは本場ブルターニュのシードルです。

赤色の元となっているリンゴの記載がなかったので、実際に何が使われているかはわかりません。

しかし、作っているVal de Ranceにもロゼシードルがありますので、その情報参考にすると

  • Baya Marisa(バヤ マリサ)
  • Red Moon(レッドムーン)

といった赤肉のリンゴが使われていることが想像できます。

グラスに注ぐとこんな感じです。

ラ・ブーシュ・オン・クールらしいバランスのいいシードルです。

商品説明には「やや甘口」と書かれていますが、通常の甘口シードルです。

メイポール・シードル

続いては「メイポール・シードル」です。

こちらは「サンクゼール」のシードルです。

サンクゼールのシードルは以前に「りんごかもしれない展」というイベントの記事で紹介しました。

こちらのイベントの記事の写真にもちらっと登場しているのが今回のシードルです。

サンクゼールは、日本全国に150店舗以上あるので、近くにお店がある人も多いかもしれません。

サンクゼールはフランスの田舎にインスピレーションを受けてできた会社です。

長野県飯綱町から本格的な瓶内二次発酵のシードルを全国に提供しています。

そして今回のシードルですが、その名の通り「メイポール」が使われています。

「メイポール…知らんな、食べたことないわ。」

そんな方も多いでしょうが当然です。

なぜなら、メイポールは生でかじって食べるには向いていないリンゴだからです。

もともと授粉用に農園の隅に植えられたリンゴで、中まで真っ赤でゴルフボールより少し大きい程度です。

授粉のシーズンが終われば用済み、実をつける前に摘果されます。

シードル太郎
シードル太郎

なんかかわいそう。

酸っぱすぎて生では食べられないのが理由です。

ただ、最近は実をつけさせ加工してジャムなどにするところも増えています。

グラスに注ぐとこんな感じです。

メイポールが酸味の強いリンゴなので、このシードルもしっかり酸味が強いです。

見た目にはわかりませんが、口に入れるとしっかり泡が感じられます。

ラシャス・シードル・ルビー・ドライ

3つ目は「ラシャス・シードル・ルビー・ドライ」です。

ラシャスは種類が豊富です。

スーパーで買えるフランスのシードルとしては、一番流通しているかもしれません。

フランスのシードルの名産地ノルマンディーで作られています。

以前カルヴァドス入りのものは記事にしましたが、今回は「ルビー」です。

色は濃いですが、着色料などは使われておらず、赤いリンゴの果肉のみでこの色がでています。

グラスに注ぐとこんな感じです。

アルコール度数は3%と低めですが、甘さは控えめでドライな味わいです。

酸味・苦みが強く、ブドウのような味も感じます。

リンゴだけでこんな味になるのかと思うような、なかなか珍しい味のシードルです。

ジャパンシードル

最後はニッカの「ジャパンシードル」です。

ジャパンシードルとはすごい名前ですが、パッケージからして、日の丸の赤がイメージということでしょう。

ニッカのシードルは歴史が古く、日本のシードルの元祖「アップルワイン」を提供しています。

「アップルワイン」は、1938年に誕生しました。

竹鶴政孝がニッカウヰスキーの前身「大日本果汁株式会社」を設立したのが1934年ですから、ほぼニッカの歴史ですね。

そしてこのシードルの色は、果実まで赤い希少リンゴ「ジェネバ」を一部使用していることに由来するようです。

これまで紹介したシードルの中では一番赤が強調されていますね。

注いで見るとこんな感じです。

写真ではわかりにくいですが、きれいな桜色をしています。

花見の季節にはピッタリですね。

アルコール度数は3%で甘口です。

全くクセのないシードルなので、初めてシードルを飲む人はいい出会いになるかもしれません。

というわけで、今回の四杯でした。

赤いシードルに 唇寄せて 黙ってみている 空の瓶

シードル太郎
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