大西洋とポルトガル料理の関係
ポルトガルはヨーロッパの西端に位置する国です。
首都はリスボンです。かわいい名前ですね。
ほぼ「リス」の効果ですけど。
ポルトガルはここにあります。
ご覧の通り大西洋に面した国です。
海に面した場所が多いので、魚介類をつかった料理も多いです。
「Arroz de polvo」という「タコ飯」も食べられています。
タコを食べない国も多くありますが、ポルトガル、スペイン、イタリアなどでは食べるそうです。
特にこの辺りはタコの産地です。
地図にも見えている「モロッコ」は、なんと世界第二位のタコの水揚げ量を誇ります。
日本で売られているタコもモロッコ産がよくあります。
![](https://oicidre.com/wp-content/uploads/2023/09/IMG_2759-768x1024.jpg)
しかし当のモロッコでは宗教的な理由などでタコは食べません。
ウロコやヒレのない魚(海の生き物)は食べてはいけないことなっています。
しかし実際は、イカはよく食べていま…ゴニョゴニョ…。
宗派によるところがあるので、その辺は割愛します。
おっと、モロッコのタコの話なんていいんです。
ポルトガルの料理に戻りましょう。
ポルトガル料理を代表する食材と言えば「バカリャウ」です。
悪口ではありません。
干し鱈(タラ)のことです。
ポルトガルとバカリャウの歴史は長く、ヴァイキングの時代まで遡ります。
それから大航海時代には保存がきく食べ物として活躍します。
つまり江戸時代長崎に来ていたポルトガル人は、バカリャウを食べながら来ていたということです。
![シードル太郎](https://oicidre.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
ほう、それは感慨深い。
バカリャウを食べるといっても、丸かじりはしません。
塩漬けして干してあるので、そのままではしょっぱくて食べられたものではありません。
塩抜きしてから、調理して食べます。
バカリャウはポルトガルのソウルフードなので、料理の種類はたくさんあります。
その中でも今回は「Pastéis de Bacalhau(パスティス・デ・バカリャウ)」を紹介します。
パスティス・デ・バカリャウの作り方
「Pastéis de Bacalhau(パスティス・デ・バカリャウ)」とは、干しタラのコロッケです。
タラのコロッケなんて生臭くてマズそう。と決めつけるのはお待ちください。
これから作り方を教えますので、作って食べてみてから判断してください。
作って食べて生臭かったらどうするんだよ。ですか。
その時はただ後悔して、今度から普通のコロッケを食べてください。
作り方はこんな感じです。
【用意するもの】(6人前)
- 干しタラのフィレ 1個
- じゃがいも 1kg
- 卵 5個
- パセリのみじん切り 大さじ2杯
- フライ用油
- オリーブオイル
- 塩コショウ
【作り方】
- 干しタラを水に12時間入れて塩抜きします。
- じゃがいもの皮をむき、塩を加えた沸騰したお湯で20分間茹でます。
- フライパンに大さじ1杯のオリーブオイルをしき、タラを片面約6分ずつ焼きます。
- 火から下ろして冷まします。
- タラから骨を取り除き、身をミキサーで混ぜます。
- ジャガイモをフォークで潰します。
- 卵、タラ、みじん切りパセリ、塩、コショウを加えます。
- よく混ぜて冷蔵庫で30分間冷やします。
- 油を加熱し揚げる準備をします。
- スプーン2つを使って塊にして揚げます。
- きつね色になるまで揚げます。
- キッチンペーパーで余計な油をきります。
完成です。
「干しタラなんてどこに売ってるんだ。」
「6人前って、どんだけつくるんだ。」
「いきなり12時間待ちかよ。」
レシピの序盤だけでそんなに不満が出るとは…思ってました。
ですから、今回は干しタラではなく生のタラで作りました。
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見た目は悪くないと思います。
それではシードルと合わせてみましょう。
ポルトガルのシードル「NUA」
せっかくポルトガル料理を作ったからには、ポルトガルのシードルと合わせます。
シードルはポルトガル語では「sidra(シードラ)」です。
スペイン語と同じですね。
今回紹介するシードラは『NUA』の「Nua Cider nº2」です。
![](https://oicidre.com/wp-content/uploads/2023/09/IMG_2727-768x1024.jpg)
「NUA」は北ポルトガルに位置するMinho(ミーニョ)でシードラを作っています。
2014年に3人のワインメーカー等が出会い、NUAを立ち上げました。
この地方特産のリンゴを使って作るのが特徴です。
「Nua Cider nº2」はこれらのリンゴを使っています。
- Porta da Loja
- Malapio
- Verdeal
- Pipo de Basto
- その他
アルファベットだしポルトガル語だし、何がなんだかわかりませんね。
きっと読み飛ばしたことでしょう。
味は酸味が強く感じられ、スペインのシードラに近いです。
澱も多く酵母を感じますが、えぐみはそれほどありません。
リンゴを丸かじりしたときのような甘さも感じます。
そしてタラのコロッケとの組み合わせは、素晴らしいです。
酸味が揚げ物の油っぽさを軽くしてくれます。
タラの生臭さが気になった人も、このシードラが味方になってくれます。
というわけで、今回の一杯でした。
干しタラを欲したら、ポルトガルへ行け。
シードル太郎
どうしても干しタラで作ってみたい人は、こちらから買えます。