南アフリカの飲み物
南アフリカの飲み物と言えば…
そう、ルイボス茶です。
これは絶対にそうなので、そうとしか言いようがありません。
南アフリカでは乳幼児の頃からルイボス茶を飲むようです。
ルイボスは南アフリカの中でも、セダーバーグ地方でしか栽培されません。
EUの「原産地名称保護(PDO)」の認定もされています。
原産地名称保護(PDO)とは「そこで出来たそれしか、その名前使っちゃダメだよ」というものです。
例えば「シャンパン」もシャンパーニュ地方で作られたもののみが「シャンパン」を名乗れます。
他の場所で作られたものは、「スパークリングワイン」となります。
そしてスパークリングワインと同じ製法で、ブドウではなくリンゴを使って作られた飲み物、それがシードルです。

シードルの話題きた!
期待に添えず申し訳ないですが、シードルの話題はまだ先です。

思わせぶりだなあ。
南アフリカのアルコールと言えば、今はワインが人気です。
南アフリカではアパルトヘイトにより1994年まではワインの輸出ができませんでした。
ところが撤廃後は輸出がぐんぐん伸びて、現在では世界の生産量のトップ10にランクインしています。
最近日本でも人気のチリワインに匹敵する生産量です。
さて、生産量と言えば南アフリカのリンゴの生産量です。
2020年のデータですが、南アフリカでは年間100万トン近くのリンゴが生産されています。
これは世界第14位の生産量です。
ということは、当然リンゴ飲料も作られるということです。

ということは!
ということで、こちらです。

ご存じ「アップルタイザー」です。

シードルじゃなかったああ
アップルタイザーは飲食店や小売店で時々見かけると思いますが、実は南アフリカの飲み物です。
リンゴ果汁100%の炭酸飲料で、砂糖、着色料、保存料は使われていません。
1966年に生まれて、現在は世界中で飲まれています。
ちなみにアップルタイザーはの名前は、「アップル」と「アペタイザー」からの造語です。
アップルタイザーの誕生から22年後の1988年。ビールの代替品として初めて取り入れられた飲み物があります。
それが南アフリカ初のシードルです。

待ってました!
現在南アフリカでは主に2メーカーのシードルが流通していて、最初のシードルは『Hunters Gold Cider(ハンターズ ゴールド サイダー)』です。
それから8年後の1996年に発売されたのが、今回紹介する『Savanna Dry Cider(サヴァンナ ドライ サイダー)』です。
せっかく南アフリカのシードルなので、南アフリカの食べ物と一緒に楽しみたいと思います。
バニーチョウとキャロットサンバルの作り方
南アフリカの食べ物と言われても、いまいちピンとこないですよね。
行ったことがある人なら、ボボティなど思いつくかもしれませんが、日本では南アフリカ料理のレストランを見つけるのも高難易度です。
そんなちょっとマイナーな南アフリカ料理から、今回は「bunny chow(バニーチョウ)」と「carrot sambal(キャロットサンバル)」を紹介します。
バニーチョウは簡単に言うとカレーパンです。
「南アフリカにもカレーパンがあるの?」と思ったでしょうが、日本のそれとは違います。
南アフリカのカレーパン「バニーチョウ」は、食パンをほじくって中にカレーを流し込んだものです。
南アフリカにはインドからの出稼ぎ労働者が来ていた歴史があり、その頃に生まれたと言われています。
そして、バニーチョウの添え物としてよく提供されるのが「キャロットサンバル」です。
キャロットはそのままニンジンで、サンバルは辛味香辛料を意味します。
酢につけるので、ニンジンのピリ辛ピクルスといった感じです。
さてさて、それではそれぞれの作り方をご紹介します。
バニーチョウの作り方
【用意するもの】
「カレーの恩返し」は混ぜるだけで普通のカレーが一気に本格的になるオススメのスパイスです。
なくても作れますが、あった方が格段においしいです。

【作り方】
- 玉ねぎとニンジンをみじん切りにします。
- 鍋にサラダ油を入れ、切った玉ねぎとニンジンを中火で炒めます。
- 玉ねぎが茶色くなったら鶏肉を入れ炒めます。
- ある程度炒めたら、水とひよこ豆を入れ15分程度茹でます。
- カレールウを入れます。
- 軽く混ぜながら弱火で10分程度煮ます。
- カレーの恩返しを加えひと煮立ちさせます。(カレー完成)
- 食パンを半分に切って中を抜きます。
- できた穴にカレーを流し込んで完成です。
食パンにカレーを入れる以外は、普通のカレーの作り方ですね。
海外のカレー感を出したいのでひよこ豆を入れていますが、カレーなら何でもいいです。
キャロットサンバルの作り方
【用意するもの】
- ニンジン 1本
- 塩 小さじ1.5杯
- 砂糖 小さじ1杯
- 刻み唐辛子 小さじ1.5杯
- 酢 60ml
【作り方】
- ニンジンを千切りにして、チャック付き食品保存袋に入れます。
- 袋に塩を加えてよく混ぜ、常温で30分放置します。
- 袋に唐辛子、砂糖、酢を加えて、砂糖が溶けるまでよく混ぜます。
- さらに30分放置します。
- 水分を手で強く絞り出して完成です。
ほとんど切って混ぜるだけなので、これは簡単ですね。
そしてできたものがこちらです。

おいしそう!というほどではないですが、マズそうではないですね。
それでじゅうぶんです。
さてさて、シードルと一緒に楽しみましょう。
カレーがシードルと合うことは以前の記事で確認済みなので期待できます。
南アフリカのシードル『Savanna Dry Cider』
先ほども紹介した通り、今回のシードルは「Distell(ディステル)」の『Savanna Dry Cider(サヴァンナ ドライ サイダー)』です。

南アフリカはシードルの盛んな国ではありませんが、このシードルは世界40か国以上で飲まれている人気のシードルです。
写真ではグラスに注いでいますが、瓶のまま飲むことをオススメします。
何が変わるわけではないですが、瓶で飲む方が美味しく感じます。
ドライと書いてある通り、ドライのシードルではありますが、単なる辛口シードルでもありません。
リンゴの甘味がしっかり感じられ、苦みも強すぎないのでグビグビと飲みやすいです。
瓶で飲んだ方が美味しい感じは、この会社のYouTubeからも感じられます。
なるほど。コロナビールのようにカットレモンを入れるのもいいですね。
そして肝心のバニーチョウとの相性は…
抜群です!!
やはり、シードルとカレーは合うの法則が今回もハマりました。
カレーもさることながら、キャロットサンバルも素晴らしいです。
正直に言いましょう。食べたことがないので正解の味はわかりません。
が、これはこれですごく美味しいです。
カレーライスの福神漬けのように、キャロットサンバルがカレーのアクセントになってくれます。
また、ピリッと辛いので、シードルがすすんでしかたありません。
瓶には入っていますが、容量も330mlなので、続けてもう一本いけます。
またしても素晴らしい組み合わせに出会ってしまいました。
というわけで、今回の一杯でした。
南アフリカはシードルの喜望峰
シードル太郎