カステラの歴史
カステラと言えばポルトガル。
ポルトガル人が長崎に持ち込んだ、異国の食べ物の象徴。
ところが、カステラは和菓子です。
「カステラ」なんておよそ日本語とは思えない名前でありながら、和菓子です。
おまんじゅう、おだんご、おはぎとか、「お〇〇」こそが和菓子でしょうが!
「おカステラ」なんて誰も呼ばないでしょうが!
そんなことで怒り狂ってしまう気持ちはわかりませんが、カステラは確かに和菓子です。
日本人が独自に開発した洋菓子風の食べ物です。
では、ポルトガル人はカステラのなんなのでしょうか。
普及させた風な感じを出して、風評利益を得ているけしからん存在でしょうか。
そんなことはありません。
ポルトガル人は、カステラの原型となるお菓子を当時の日本に持ち込みました。
それが「パン・デ・ロー」です。
一文字もかぶっていませんが、これがカステラの原型と言われています。
諸説ありますけどね。
パン・デ・ローは卵、砂糖、小麦粉とシンプルな食材で作られるお菓子です。
紙を敷いた型に生地を入れて半熟で焼き上げます。
カステラと違って、型は丸形です。
それが16世紀にポルトガルから伝わって、なんだかんだでカステラが生まれました。
カステラの場合には、水飴を使います。
近頃ではチョコレートや抹茶を使ったものも売られています。
新たな味を生み出すアレンジならいいですが、昔は粗悪品が出回っていたようです。
そのため、昭和41年にカステラの規格化が行われました。
- 砂糖と同量以上の卵を使用する
- 小麦粉は55%
- 水飴は20%(または蜂蜜、ブドウ糖)
- 膨張剤を使わずに厚み1寸6分以上とする
「厚み1寸6分」に時代を感じますね。いかにも和菓子です。
それはそうと、パン・デ・ローの「半熟で焼き上げ」が気になります。
中がトロっとしたお菓子なんて、いかにもおいしそうです。
食べてはみたいですが、なんといっても初めて聞いた海外のお菓子です。
日本で食べられるのでしょうか…。
結論、食べられます。
そうでなければ、ここで終了ですから。
さっそく買いに行きましょう。
NATA de Cristiano(ナタ・デ・クリスチアノ)
日本でパン・デ・ローが食べられるお店はいくらもありますが、今回はここで買うことにしました。
代々木公園近くのお店「NATA de Cristiano(ナタ・デ・クリスチアノ)」です。
ここにあります。
駅からも公園からも遠くないので行きやすいです。
外観はこんな感じです。
![](https://oicidre.com/wp-content/uploads/2023/09/IMG_2722-1024x768.jpg)
青い扉の横に受け渡し用の窓があり、そこで注文などをします。
中は6人も入ったら満員電車状態になるくらいの広さです。
入口の横にかわいいロゴがありました。
![](https://oicidre.com/wp-content/uploads/2023/09/IMG_2719-768x1024.jpg)
入ると右側に水が置いてありました。
![](https://oicidre.com/wp-content/uploads/2023/09/IMG_2721-768x1024.jpg)
水は「よろしければどうぞ。」とのことで、受け渡しの待ち時間に飲めます。
そんなに待つわけでもないのに、とても親切です。
こちらのお店ではパン・デ・ローももちろん買えるのですが、他にもいろいろあります。
お店の一番の売りは「パステル・デ・ナタ」というエッグタルトです。
パン・デ・ロー目当てで来ましたが、せっかくなのでそちらも買うことにしました。
絵にかいたような衝動買いです。
他にもメニューを見てみると、チキンパイもありました。
衝動買いの衝動が止まりません。
これも買おうと思いましたが、残念ながら売り切れていました。
こちらのお店は人気店なので、予約しないと売り切れいていることが多いようです。
買ったのはついででしたが、エッグタルトにはとてもこだわっているお店です。
職人さんはポルトガルのポルトで修行して、本場の味を再現しているとのことです。
早く食べましょう。
パン・デ・ローはこんな感じの箱に入っています。
![](https://oicidre.com/wp-content/uploads/2023/09/IMG_2736_2-1024x762.jpg)
おーぷん!
![](https://oicidre.com/wp-content/uploads/2023/09/IMG_2742-1024x768.jpg)
![シードル太郎](https://oicidre.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
ぐにゃぐにゃだ!
箱の中で潰れていたわけではありません。
パン・デ・ローはこんな風に少しぐにゃっとなるものなのです。
柔らかくてツヤツヤしておいしそうです。
その日によって中身が変わるのですが、今回はキャラメルでした。
エッグタルトはこんな感じです。
![](https://oicidre.com/wp-content/uploads/2023/09/IMG_2746_2-1024x768.jpg)
表面はテカテカ、パイ生地が何層にもなっていて、見るからにおいしそうです。
さっそくシードルといただきましょう。
酸味と甘味
今回合わせるのは、前回と同じく『NUA』の「Nua Cider nº2」です。
また同じですよ。はい。なんですか。
一本750mlありますからね。一回では飲み切らないです。
そのために買ってきたポルトガルスイーツです。
![](https://oicidre.com/wp-content/uploads/2023/09/IMG_2747-1024x768.jpg)
とはいえ、シードルは炭酸のある飲み物なので、翌日には飲んでしまった方がいいです。
まずはパン・デ・ローをいただきます。
キャラメルの香りが、食べる前からたまりません。
しっとり柔らかい生地にトロトロのキャラメルソース。
思わずにっこりしてしまうおいしさです。
甘すぎない大人の味が好みだわというマダムは、食べなくて大丈夫です。
さて、「Nua Cider nº2」の特徴は、しっかりした酸味でした。
結論から言うと、パン・デ・ローとはまったく合いません。
以前シードラとあんこの記事でも書きましたが、甘いお菓子と酸っぱいシードルは合いません。
![シードル太郎](https://oicidre.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
じゃあ学習しなさいよ!
パン・デ・ローに合うのはコーヒーです。
では続いてエッグタルトも試しましょう。
このエッグタルトは、持っただけで生地のサクサクがわかります。
すでにちょっとポロポロこぼれて、本場のおいしいクロワッサンを彷彿とさせます。
これは期待大。
そして食べてみると…。
うまい!うまい!うまーい!!
期待を大幅に超えてきました。
生地はサクサクの触感で、バターと塩の美味しさが伝わってきます。
中心の卵クリームもとろっとろです。
続けざまにあと2つは食べたいです。
店頭ではシナモンパウダーをかけることをすすめていましたが、今回はしませんでした。
単に忘れていました。
さて、結論はもう出ていますが、シードルと合わせます。
はい。別々に楽しむのがお互いのためのようです。
もしかしたら、カルヴァドスなら合うかもしれません。
というわけで、今回の一杯でした。
酸いも甘いもポルトガる。
シードル太郎
長崎のカステラはふるさと納税でも取り扱っているようです。