「小さなパリ」神楽坂
東京には「小さなパリ」と呼ばれる場所があります。
神楽坂です。
ここにあります。
住所としては東京都新宿区に属します。
こんなところまで新宿なんですね。
おや、地図を見て気がつきましたか。
それとも地図なんてスルーしたでしょうか。
そうです。
「神楽坂駅」も「牛込神楽坂駅」も神楽坂にはありません。
それぞれ「矢来町」と「箪笥町」です。
東京は駅名と住所が違うことがしばしばあります。
品川駅は「港区」にあり、目黒駅が「品川区」にあります。
新宿駅新南口も「渋谷区」です。
ややこしいですが、受け入れるしかありません。
駅がどこであれ、神楽坂は神楽坂です。
それでいて「小さなパリ」なのです。
神楽坂が「小さなパリ」と呼ばれる理由はこんな感じです。
- フランス人が多く住んでいる
- 政府公認のフランス語学校がある
- 石畳の路地がある
- フランス料理のレストランが多い
もしかしてフランス大使館も近くにあるんじゃない?と思いましたか。
良さげな予想ですが、全然違います。
フランス大使館は「広尾」というところにあり、神楽坂からは7km以上離れています。
残念でした。
それはともかく、ここで何よりも肝心なことをお伝えします。
よく聞いてください。
神楽坂は「小さなパリ」と呼ばれますが、全くパリっぽくはありません。
…
…え?
…さっきの理由は?
…え??
…ガクガクガク(膝の震える音)
キツネにつままれた気分でしょうが、まあ、落ち着いてください。
神楽坂はもともと花街でした。
そのため、路地に入ると古い日本家屋がたくさん残っています。
「石畳の路地がある」もこれです。
パリっぽい石畳ではなく「○○小路」によくある日本らしい石畳です。
ですから、街の見た目は全くパリっぽくはないです。
ただ、フランス料理のお店や、フランス人が多くいるのは本当です。
疑いの目で睨みつけないでください。
フランス関連のお祭りもよく開催されてますから。
そういう意味で「小さなパリ」なのです。
「海外旅行気分を味わえる!」という期待は捨ててから行きましょう。
見た目はパリっぽくない神楽坂ですが、本格的なフランス料理は楽しめます。
安心してください。
その中から、今回は「ベルトラン ラーシェ ル ブルターニュ カグラザカ」を紹介します。
ベルトラン ラーシェ ル ブルターニュ カグラザカ
「ベルトラン ラーシェ ル ブルターニュ カグラザカ」は、長いカタカナですが店名です。
ブルターニュ料理が味わえるバー&レストランです。
クレープリーで有名な「ル ブルターニュ (LE BRETAGNE)」が経営しています。
「ル ブルターニュ 」も神楽坂にお店がありますが、それはまた別の機会に。
場所はここにあります。
「神楽坂」から小路に入ったところにあるので、見つけにくいかもしれません。
ただ、このお店の雰囲気としてはそれがまた良いです。
大人の雰囲気というやつです。
中に入るとおしゃれなリンゴのオブジェが置いてあります。
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フランス料理店とは思えない、日本感あふれる入り口です。
ちなみに、古民家を改装して作っているので、外観も日本的です。
店内の奥の方には、取り扱っているシードルが陳列されています。
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手前にある小さな樽は何でしょうか。
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![シードル太郎](https://oicidre.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
シードルが冷やしてある!!
見ただけで気持ちが高まりますね。
「シードル扱ってるかな…。」なんて心配は不要です。
ここでしっかり冷やしてあるので、絶対に飲めます。絶対に。
店内の座席はこんな感じです。
![](https://oicidre.com/wp-content/uploads/2023/10/IMG_2794-1024x768.jpg)
和と洋が混ざった、おしゃれで落ち着いた良い雰囲気です。
カウンター席もあり、奥の棚にもまたシードルが陳列されています。
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バーも兼ねているのがこれらの写真の建物ですが、奥に別の部屋もあります。
そちらはレストランとしてしっかり食事をする人向けの部屋です。
予約をして行くとそちらの席になります。
今回は利用していないので写真はありません。
気になる方は自分の目で確かめてください。
内装なども素敵ですが、それにもましてお店の方が親切で素晴らしいです。
メニューのあれこれはもちろん、お店の歴史なども丁寧に説明してくれました。
フレンドリーでいて気づかいのある、フランスの良さが取り入れられています。
それではそろそろ席について、食事とシードルを楽しみましょう。
本格シードルとブルターニュ料理
さっそくシードルを注文しましょう。
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種類が豊富だ!パラダイスだ!
こんなにあるとどれにしようか迷ってしまいますね。
ご安心ください。
注文する料理や好みを伝えると、お店の方が合うものを選んでくれます。
あなたはただヘラヘラして説明を聞いていればいいのです。
そして今回はこれらのシードルを選んでくれました。
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まずは食前酒にポワレ(洋ナシのシードル)をいただきます。
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こちらはノルマンディーの「エリック・ボルドレ」のポワレです。
「エリック・ボルドレ」はノルマンディーとブルターニュの両方に接するエリアで作られています。
豊富にブレンドされた洋ナシの深い味わいがありながら、弱炭酸で飲み口はとても軽やか。
食前・食中酒にピッタリのさすがのチョイスです。
それから食事がちょうどいいペースで続々と運ばれてきます。
詳細は省きますが、どれもこれも本当においしいです。
パンひとつ抜け目がありません。すべてが大当たりです。
では写真をドンドンドン。
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メイン料理が運ばれてきたところで、改めてシードルをいただきます。
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こちらは「Domaine Johanna Cécillon」の『Divona』です。
有機リンゴを使用し、天然酵母で瓶内二次発酵という、伝統的な製法で作られたブルターニュのシードルです。
細かな泡が特徴で、濁りがあり、嫌みのないリンゴらしい澱の香りも味わえます。
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そしてこちらは「Domaine de Kervéguen」の『Cidre à L’anciènne』です。
メープルシロップのような濃い琥珀色をしています。
見た目から特徴的なこのシードルはオーク樽(楢の木の樽)で一次発酵しています。
そのため、ブランデーのような雰囲気も感じます。
また時間をかけて圧搾しているため、嫌な渋みはありません。
そのかわり、リンゴ由来の穏やかなタンニンを感じます。
2~3回の澱引きをしているため、色は濃いですが、透明度も高いです。
「Brut(辛口)」の表記ですが、白ワインよりも赤ワインの辛口に近いです。
さっきからそんな能書きはわからんよ。というあなたのために一言でまとめると
むっちゃ美味い!です。
おいしいシードルを味わって、買って帰りたくなった人のために、直営のショップがあります。
レストランからは少しだけ離れていますが、「ル ブルターニュ」の隣にあります。
店内ではシードルの他にブルターニュのお菓子なども買えます。
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おまけ
レストランで、カウンターにあった不思議なお酒を、帰りがけに少し飲ませてもらいました。
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こちらは「La liqueur 44」というカルヴァドスベースのお酒です。
ナントの辺りで作られている家庭酒です。
ナント市のあるロワール=アトランティック県の番号が44番なのが名前の由来です。
作り方はこれだけです。
- コーヒー豆を44個挿したオレンジを入れる
- 角砂糖を44個入れる
- 容器に1Lのカルヴァドスを入れる
- 44日間漬け込む
カルヴァドス、オレンジ、コーヒー、砂糖、全部の味がしっかりします。
興味本位で作ってみたくなる美味しいお酒でした。
というわけで、今回の数杯でした。
フランス料理は、味覚の神楽。
シードル太郎
La liqueur 44が自宅で作りたくなったら、容器にどうぞ。