ホットシードルとは
…ガタガタ…ブルブル..寒い寒い
外にいても、部屋にいても、トイレに行ってもどこに行っても寒いのが冬です。
湯船につかっている時と布団にくるまっている時だけが温かい時間ですね。
そんな寒い冬に飲む、身体が温まる飲み物といえば?
そうです!ホットシードルです!
ココアや熱燗、生姜湯もいいですよ、もちろん。
しかし、ホットシードルのことを忘れないでください。
「忘れないでもなにも、初耳だわ。」
まあ、そういう人もいるでしょう。
しかし、知らなかったことを恥じる必要はありません。
そんなに自分を責めないでください。
ホットシードルとは、温かいシードルです。
それはわかるよ!
そう慌てないで。これから説明します。
ホットシードルは、熱燗のように単にお酒を温めたものではありません。
シードルを煮て温める際に、スパイスなども加えて作ります。
おやおや、気づきましたか。
そうです、ホットワインのシードル版です。
ホットワインといえばクリスマスシーズンに飲むイメージがあるかもしれません。
それはホットシードルも同じで「cidre chaud de Noël(クリスマスのホットシードル)」とも呼ばれます。
とはいえ、クリスマスシーズンに限定する必要はありません。
温かい飲み物ですから、寒い間はいつ飲んでも美味しいものです。
松前漬けが好きな人が正月じゃなくても食べるのと同じです。
ちなみに「ホットシードル」と呼んでいますが、これは和製英語です。
「ホット」は英語で「シードル」はフランス語なので、どちらの言語にしても間違っています。
フランス語では「cidre chaud(シードル・ショー)」と呼びます。
でもそれでは語呂が悪いので「ホットシードル」とします。かまいませんよね。
ホットシードルの歴史は古く、中世のイギリスにまで遡ります。
イギリスには「Wassailing(ワセイリング)」と呼ばれる古くからの文化があります。
ワセイリングとはなにかというと、クリスマスシーズンの酒宴をさす言葉です。
「Wassail(ワセイル)」は、古い英語で『健康』を意味する「waes hael」に由来するようです。
ワセイリングでは「ワセイルボウル」と呼ばれる10ガロン(38リットル)の大きなボウルで飲み物が提供されます。
そして「ワセイル!」と言って乾杯します。
そのボウルに入った飲み物こそが、ホットシードルなのです。
ホットシードルの作り方
ホットシードルの作り方はとても簡単です。
スパイスを使うのでこだわると底なしですが、基本的には難しくありません。
レシピを紹介します。
〇ホットシードルの作り方(4人分)
【用意するもの】
【手順】
- オレンジを輪切りにします。
- 鍋にシードルを入れ弱火で加熱します。
- 温まったらオレンジ、スターアニス、クローブ、シナモンを加えます。
- 沸騰させたまま10分程度加熱します。
- 火から外したら液体のみに濾して飲みやすい温度まで冷まします。
- カップにそそいで完成です。後から蜂蜜を入れてもいいです。
たったの6ステップで完成です。
簡単だなあ!
それでも、作るのは面倒くさいという人もいるでしょう。
わかりますよ。クローブもスターアニスもわざわざ買ってこないと家にないですよね。
そんな方にはこれがオススメです。
「LUSCIOUS(ラシャス)」の『HOT APPLE WINE(ホットアップルワイン)』です。
なんと、カップに注いでそのまま電子レンジで温めれば完成です。
これなら袋麵を調理して鍋のまま食べるモノグサなあなたでも大丈夫です。
え?これもレシピを書きますか?!
温めるだけですけどね。まあ、いいでしょう。
〇ホットアップルワインの温め方
【用意するもの】
- HOT APPLE WINE 750ml
【手順】
- カップにシードルを注ぎます。
- 電子レンジに入れ500Wで45秒程度加熱すれば完成です。
電子レンジの秒数を書いたことに、せめてもの意味を見出すしかありません。
「そんな簡単なもの、おいしいのか」ですか。
手間を惜しんでおいて味のクオリティにまで言及するとは強欲な御仁ですね。
それでは手作りホットシードルと飲み比べてみましょう。
ホットシードル飲み比べ
まずは自分で作ったホットシードルから。
一緒に煮たオレンジを浮かばせてちょっと気取ってみます。
カップを口に近づける前から、スパイスの香りがすごくします。
熱いかもしれないのでそっとひと口…。
うまーい!!!
ササっと10分以内で作ったとは思えない出来です。
スパイスやオレンジの味ももちろん活躍していますが、なんといってもシードルです。
温かいりんごの味わいがほわあ~っと広がり優しい気持ちにしてくれます。
これは冬の間に何度飲んでもいいです。
クリスマスシーズンにこだわっているのはもったいないです。
先ほどのレシピで同じものが作れるので、ぜひお試しいただきたい。
続いてはLUSIOUS(ラシャス)のHOT APPLE WINE(ホットアップルワイン)です。
こちらは発泡性ではないので、はじめから泡はありません。
カルヴァドスが入っているからか、ブランデーのような贅沢な香りがします。
そして味は、甘い!甘い!甘い!
温かい貴腐ワインを飲んでいるような甘さです。
成分表示こそありませんが、砂糖がたっぷり加えられているわけではなさそうです。
アップルワインというだけあって、アルコールは7%とシードルに比べるとやや高めです。
温めていることもあり、少量で酔っぱらってしまいそうなほどアルコールの香りが鼻から抜けます。
スパイスの香りは飲み終わってからのそのそと歩いてくる感じです。
さて、飲み比べたからには甲乙をつけなければなりません。
結論、手作りの方がぶっちぎりで美味しいです。
自分で作ったので手前味噌にはなりますが、本当に美味しいのでしかたありません。
そもそも、かなり違う味なので比べること自体違和感があるくらい別物です。
ホットブランデーが好きな人はラシャスの方が美味しいかもしれません。
チョコレートクッキーを一緒に食べましたが、これは手作りホットシードルにピッタリです。
寒い夜に優しい気持ちになる素敵な組み合わせでした。
というわけで、今回の一杯でした。
ホッとするシードル。
シードル太郎
今回ホットシードルに使ったものは、おなじみの「ラ ブーシュ オン クール」です。
冷やしても温めても美味しい、お手頃で万能なシードルです。