ランス渓谷からようこそ
今回は『Val de Rance(ヴァル・ド・ランス)』のシードルを紹介します。
このシードルの名前は「ランス渓谷」という意味で、ずばり作られている場所の名前そのものです。
ランス渓谷の近くで作られているから「Val de Rance」なわけです。
「いやいや、知らん地名言われても、何もわからんよ。」
まあ、そう思いますがちゃんと説明するので慌てないでください。シャツが後ろ前じゃないですか。
ランス渓谷があるのはシードルではおなじみのブルターニュ地方です。
そもそも、そのブルターニュ地方がどこにあるのかもよくわからないと思います。
フランスの西の方の飛び出している辺りです。
そのブルターニュ地方で、ランス渓谷はイギリスの方(北)の海に向かって流れています。
流れはとっても穏やかです。
ランス渓谷の出口(海)には「サン・マロ」があります。
もうサン・マロについてまで説明はしませんが「クイニーアマンが美味しいところ」とだけ覚えておいてください。
みんなで作ってる
「Val de Rance」は「レ・セリエ・アソシエ(Les Celliers Associés)」という協同組合によって作られています。
この協同組合は1953年に12のリンゴ生産者から始まり、現在は355人のメンバーがいるそうです。
そしてどうやら「民主主義、透明性、公平性、責任、連帯という強い人間的価値に基づいている」そうです。
よくわからないけど、ちゃんとしてそう!
そんなたくさんの人が作っているので、もちろん生産量も多くて、年間平均 25,000 トンものリンゴを生産しているらしいです。
それでいて品質にはこだわっていて、果樹園の40%をBio(有機)にしているみたいです。
リンゴ生産だけでなく、もちろんシードル作りもこだわりがあり、完成までのそれぞれの過程にプロフェッショナルがいて、大量生産なのに丁寧につくられているようです。
ザ・シードル
Val de Ranceのシードルは、「シードルといえばこれ!」というような、お手本のような教科書のような、そんな美味しさがあります。
教科書のような美味しさって、全然美味しくなさそう。
黙りなさい。
とにかく、味のバランスから色からなにから、欠点がないきれいなレーダーチャートになると思います。
初めて飲む人にはこれがおすすめです。
少しずつ暑くなってきた季節に、よく冷やして食前に飲めばもう極楽ものです。
ちなみに、いつでも気軽に買えるでおなじみのカルディのシードルも、Val de Ranceがカルディのために作っているものです。
というわけで、今日の一杯でした。
迷える者たちよ。これを飲め。
シードル太郎